洋裁の印しつけに使う用具・方法の解説(切りじつけの仕方)について

切りじつけ(洋裁教室コモノ)

洋裁をするにあたって、必ず必要になる作業である「印しつけ」。
布上に縫い合わせる場所の印をつける作業を、この様に言います。

出来上がりの場所全部の線を全部印つけすると確かに分かりやすいですが、手間がかかるので重要なところだけつけると効率的です。

このページでは沢山ある印つけの手法の違い<印つけ方法6選>と、<切りしつけの仕方>を解説します。

印しつけ方法・六選(使用用具解説)

チャコペーパー 両面又は片面(チャコピー・チャコパー・コピーペーパー)

昔からある印つけ方法です。チャコはチョークが訛った名称だそうです。型紙とともに2枚一緒に裁断した布の間にペーパー状のものを挟み込んで「ルレット」で一気に線を写し取ります。

一度に広い範囲の印つけが出来て便利ですので、一般的な印付けの方法です。

しかしチャコは水で濡らすと取れて消えますが、アイロンを上からかけると取れなくなりますので注意が必要です。特に白い布の印つけで使った場合、少しでも残っていると透けて見えてしまうという問題があります。

大昔は使っていましたが、私自身は殆ど使っていません。

三角チャコ・チャコナー(粉タイプ)・チャコペンシル(チャコペン)

チャコとチャコテー

チャコペーパーと一緒の成分ですが、昔一般的だった印つけ手法です。

三角チャコは固形化したチョークの固まりで、使っていると角が丸まって線が太くなるので、カッターなどで削って尖らせて使用します。

チャコナーは最初から粉状になったチャコをケースの中に詰め、転がす事によって細く線が引けるようにした改良型(グラウンドのライン引き器具のような感じをイメージ)です。

写真は左側がチャコで、右側がチャコナーです。

チャコペーパーと同様の理由で私自身は殆ど使っていませんが、切りじつけが面倒な時にチャコナーを部分的に使うのには便利で良いと思います。

ヘラ

ヘラ

和裁での印しつけで使う手法。洋裁で使うのは一般的では無いのですが、一応紹介です。
着物地のような目の詰まった布地の印しつけに有効だと思います。

単純に線を引きたいところに布地の上からヘラを押し付け、刻みを入れるように印しつけします。

印付けをするときには下に敷く「へら台」が必要になりますが、適当なもので代用することもできます。ヘラ台は簡単にいうと厚紙なので、板目紙など類似の紙を重ねるか、5mmぐらいのシナベニアの上で作業しても同様に印はつくと思います。

私の場合は全版のゴム板で裁断をしているので、ヘラで印をつけたいときはその上で印しつけをしてしまいます。

アイロンで消えるペン(フェルトペンタイプ・ボールペンタイプ)

アイロンで消えるペン

アイロンで消えるボールペン

洋裁材料店で最近販売されるようになったアイロンで消えるペン。
すこぶる便利ですので、チャコのかわりに私はこれをもっぱら使用しています(私はボールペンタイプを愛用)。

実は一般に販売される前に、業者向け販売のサンプルというのを職人から貰って使っていました。そのペンに「フリクションペン」と明記されてたので、私は洋裁材料店ではなく文具屋やホームセンターで入手しています(多分同じ物)。

一つ注意点が。かつて合繊交じりの繊維に印しつけしてアイロンで消したところ、薄く線が白く残ってしまったことがあります。念のため印しつけをする前に、使おうと思っている布のハギレでアイロンで線が消えるかテストして確認してから使うようにしましょう。

主に仮縫い時の襟ぐりのラインを決めたりする時に、直接布に書いて使っています。

印しつけ方法(洋裁初心者ガイド・洋裁教室コモノ)

しろも仕付け糸(切りじつけ)

しろも・あかも

昔からある一番確実な方法「切りじつけ」で使う糸、しろも仕付け糸・あかも仕付け糸。今は黄色や水色など、様々なカラーの物が販売されています。

主に仮縫いの印つけ・縫いあわせで使う糸で、手でひっぱると簡単にちぎれるのが特徴です。

「輪」状になって販売されています。最初に束ごと切って、糸を引き出して使います。
糸を引き出す時に絡まって切れやすいので、購入直後に三つ編みにして両方の端をくくっておくと綺麗な状態で使えます(写真のしろも仕付け糸はやってませんが)。

切りじつけはハッキリ言って非常に面倒くさい作業なので、出来るだけ省略化したいところです。
仮縫い前仮裁断のときに出来上がり線の要所要所だけ、つけると良いと思います。切りじつけの仕方に関しては詳しく後述しますので、その項を参考にしてください。

その他は仮縫い時に、仕上がり線の位置をマークする方法でも使います(しつけ糸一本取りで行います)。写真のように濃い色の布でペンで書いても分からない時など、線を引くように縫っていくと良いです。

しろも糸でのしるしつけ(洋裁初心者ガイド・洋裁教室コモノ)

ノッチ(刻みを入れる)

ノッチでのしるしつけ(洋裁初心者ガイド・洋裁教室コモノ)

縫製工場の印しつけと、同じ考え方での印しつけ方法です。

工場では何十枚もの布を一気に重ねてレーザーでカットするわけですが、出来上がり線をしるしつけ出来ませんよね?

印しつけはどうやっているかというと、合印になるところだけ縫い代の部分に刻みを入れています。

すでに縫い代の幅は決まっているので、そもそも出来上がり線を印しつけする必要は無いのです。端から何センチの幅かを見ながら縫えば、自動的に出来上がり位置を縫うことが出来ます。

この印しつけ方法は型紙が完成して、縫い代が決まって居ないと出来無いです。

本裁断の時に、縫い代の部分に直角に3mmほどの刻みを入れます。

しつけ糸での切りじつけの仕方

洋裁での基本の印しつけ方法「切りじつけ」。

仮縫い時はウールの布地などはペンの色が乗りにくいので、結局この方法で印しつけすることになります。
二枚一緒に縫い、間の糸をカットすることによって一度に印しつけが出来ます。

作業の概略は以下の図の通りです。

切りじつけの仕方(洋裁教室コモノ)

しつけ糸を二本取りで針に通し、仕上がり線を縫う

切りじつけの仕方

縫いじつけは、しろも糸二本取りで行います(注・二本取りとは、針穴で糸が折り返し二本で縫える状態になっていることをいう)。

裁断が終わったら、型紙ごと布が二重になっている上から出来上がり線を縫ってしまっても大丈夫です。
型紙を外す時にうっかり糸を抜いてしまうこともあるので、先に型紙をとってから縫うかどうかは好みで判断してください。

布地を二枚重ねたまま、3~5cm間隔で3~4mm布を拾うように縫います。角になる部分は、+の形に縫っていきます(上記概略図の④と⑤の図参照)。

この四箇所の糸印の交点中心が、角の場所になります。
又、「合印」のところも+の形に縫って印しつけしておきます。

しつけ糸の間をカットし、型紙を外す

切りじつけの仕方

切りじつけの仕方

印しつけがしたいところを縫い終わったら、しつけ糸の長辺の真ん中をカットして型紙を抜きます(一緒に糸を布から抜いてしまわぬように注意!)。

布の間の糸を切る

きりじつけ(洋裁初心者ガイド・洋裁教室コモノ)

きりじつけ(洋裁初心者ガイド・洋裁教室コモノ)

次に、二枚重なった布の間の糸間をはさみでカット。ここで二枚に切り離されます。

余った上側のしつけ糸をカットする

しつけ糸の毛足が長いと抜けやすいので、とにかく布地ギリギリでカットして、アイロンで抑えるか手でギュッとと押えておくのがポイントです。

アイロンで押えて糸を寝かせ、抜けにくくする

手で押えてもいいですが糸はしをアイロンで切りじつけの上を軽く押えて、糸が抜けにくくしておきます。

ほんの僅かですが糸を折り曲げておかないと、作業中に抜けてしまうこともあるので、アイロンで押えた方が楽です。
全体をみかえしがてらアイロンをかけ、確実に作業を進める形で作業を行いましょう。

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