洋服を作る時に<最初にこれだけは最低限知っておいて欲しい内容>をまとめました。これは私が洋裁教室に来る洋裁初心者の生徒さんに、最初に教える内容でもあります。
具体的な縫い方の順序説明は又別ページです(初心者実技)。
ここで全体の流れを把握してくださいね。
洋服基礎1・作成に関しての基礎知識4編
洋服作成手順(作業順番)
1・どういうデザインの服を作りたいのか?を決める
2・型紙(パターン)を用意・作成 市販のものを使うか、自作するか
3・布や付属材料・糸などを購入
4・布の地直し
5・仮裁断 型紙の縫い代に、仮縫い用に多めに縫い代をつけて裁断する
6・仮縫い ← ここが一番大事な作業
7・型紙の修正
8・本裁断
9・縫製
作る時の大前提ですが、作りたいものの概要が決まりパターン型を用意してから、材料を集めます。
布好きにありがちですが、先に布を買うのはやめましょう。
すでにある材料から発想して服を作るのは、ある程度洋服を作ることに慣れてから。
初心者の方にはハードルが高いので、上記の順番で作ります。
【完全図解】服パーツ名称+洋服パターン型指示について
洋裁本や型紙の内容を理解するために、【各パーツ名称・基本用語】を覚えましょう。
プラモデルのパーツを組み立てるように考えると、分かりやすいと思います。
最低限この名称を知らないと、作り方ページの内容が全く分からないと思いますので、頑張って覚えて下さいね。
服パーツの名称
・前身頃(まえみごろ)=体の前側のパーツ
・後ろ身頃(うしろみごろ)=体の後ろ側のパーツ
・袖
・襟
・カフス
・見返し=布の端をまとめる為に「服の内側」に縫い付けるパーツ部分
・股上 / 股下
・肩山 / 肩線
・袖山 / 袖ぐり / 袖下
・裾 / 裾線
・脇 / 脇線
・襟ぐり / 襟付け線
・ウエスト
・ベルト
洋服パターンの名称
・布目線=矢印で書き込みます。矢印の方向が布の縦目になります
・仕上がり線
・縫い代
・前中心(C.F) / 後ろ中心(C.B)
・ダーツ=ウエストやバスト下など、布が余る場所をつまんで縫い合わせる場所
・タック
・ギャザー
・合印=曲線同士の型紙を縫い合わせる場所確認の為に入れる印。
*袖ぐり(中間の部分・肩山)・襟(肩線と合う所・後ろ中心)
*脇線が長い場合は1~2箇所に必要に応じて入れる
洋服縫製順序(大枠)
ざくっと大まかな説明です。
布の縫い代始末・ファスナーやボタンつけ・ポケットに関して省略しています。
トップス(上半身)の服縫い合わせ順序は、袖の形状によって二つのタイプに大別。
<シャツスリーブ>又は<セットインスリーブ>です。
ボトムス(下半身)の服縫い合わせ順序は、<スカート>とパンツ二種<スラックス><ワークパンツ>に大別しました。
トップス1・シャツスリーブの縫製順序
<袖山が低いタイプ>シャツの縫い順序です。
カッターシャツ・Tシャツ・カジュアルなブラウスなど。ラグラン袖も同じ。
平らに置いた時に袖の幅が比較的あり、運動量が多い(動きやすい)のが特徴です。
シャツスリーブの場合、
1・前後身頃を肩縫い合わせ→袖を身頃に縫い合わせます。
2・次に袖下から脇線を、一続きで縫い合わせます。
3・襟付けと袖口と裾線の始末をします。
トップス2・セットインスリーブの縫製順序
<袖山が高いタイプ>ジャケットの縫い順序です。
制服やスーツ、かっちりしたコートなど。
シャツスリーブと違い、運動量はそんなにありません。
セットインスリーブの場合、
1・前後身頃の肩・脇線は先に縫い合わせます。袖も先に筒状にします。
2・その後、袖口をぐるっと縫い合わせ胴体に袖を取り付けます。
3・襟つけと袖口と裾の始末をします。
ボトムス1・スカートの縫製順序
ウエストがベルトの場合で説明をします。
1・ダーツを先に縫います。
2・次に、前後身頃の脇を縫います。ベルトも本体取り付け部分以外は縫います。
3・ベルトと前後身頃を縫い合わせ、裾の始末をします。
ボトムス2・ズボン(スラックス)の縫製順序
ウエストがベルトの場合で説明をします。
1・ダーツを先に縫います。
2・次に、左右の股下を縫い合わせ、筒状にします。
ベルトも本体取り付け部分以外は縫います。
3・股上を縫い合わせます。
4・ベルトとズボン本体部分を縫い合わせ、裾の始末をします。
ボトムス3・ズボン(ワークパンツ)の縫製順序
ウエストがベルトの場合で説明をします。
1・ダーツを先に縫います。
2・股上を、前中心・後ろ中心でそれぞれ縫い合わせます。
ベルトも本体取り付け部分以外は縫います。
3・前後ズボン部分の両脇を縫います。
4・股下を縫い合わせます。
5・ベルトとズボン本体部分を縫い合わせ、裾の始末をします。
洋裁初心者おすすめの学習のすすめ方
もっとも原始的な作りの服は、<布・糸・針・鋏> があれば出来ます。
最初は部分縫いの技術が要らない服を数枚縫って、服作りに慣れましょう。
1・襟無し
2・襟の開き始末なし(そのまま被って着られる襟ぐりが大きいもの)
3・ポケットなし
4・ダーツなし
5・ファスナー不要のウエストゴム
6・袖カフスなし
上記1~6の条件のデザインの服を作成して、なれてきたら一つずつ部分縫い技法が入ったものにバージョンアップさせていくのがおすすめです。
洋裁基礎2・材料に関する基礎知識3編
布扱い基礎知識(布目方向について)
・布には、「布目方向」というものがあり、<タテ目><ヨコ目><バイアス(バイヤス)>があります(フェルト等、不織布は除く)。布の端(耳という)に平行の方向を<タテ目>といい、それに直角の方向が<ヨコ目>45度の方向を<正バイアス>と呼びます。
・基本はパターン型を布目の<タテ目>方向にあわせて裁断します。布の<正バイアス>は伸縮性が出る方向なので、縫い伸びてしまわないように注意して縫製します。この性質を利用してリボン状に裁断し、バイアステープを作成して縁取りの始末の時に利用します。
洋裁初心者向きの布の種類
布は「織り方」「素材」で多様な種類の物があります。その中で「織り方」は一番単純な「平織り」で、中肉の天然繊維(綿や綿麻)の布。それが比較的技術が無くても作りやすいので、おすすめです。
極端に薄手だったり、ジーンズのように厚手だったり、動きのあるニット生地、化繊のツルツルしたものは縫うのが難しいです。大きなプリント柄だったり、チェック(格子)柄の布は、柄あわせがあるのでさらに一手間かかります。最初は柄なし無地の物がいいでしょう。
シーチング・カラーシーチング(綿の薄手のコットン布)は、トワル作成(洋服の立体型見本)用です。型紙作成用の製図用紙と同じ位置づけです。見る人が見ると分かってしまうので、実際に着用する服で使用するのはオススメしません。
最初に揃えたい道具
糸切鋏(いときりばさみ)
待ち針
手縫い針
指貫(ゆびぬき)
裁ち鋏 又は 布用円カッター+カッターマット
型紙を切る用の紙バサミ 又は カッター+カッターマット
50~60cmの洋裁用の薄い定規(方眼定規がおすすめ)
メジャー
アイロンで消えるペン
文鎮(手ごろなサイズの石で代用可)
アイロン・霧吹き・アイロンマット
鉛筆又はシャープペンシル(0.5以上がおすすめ。製図用のロットペンも良)
______以下は必要に応じて買う________
(ミシン)
(ロックミシン)
(カーブルーラー)
(L尺)
布以外に必要な材料(付属資材)
製図用紙(洋裁パターン用のハトロン紙)
ミシン糸
______以下は必要に応じて買う________
接着芯
ホックやボタン + 手縫い糸
ロックミシン糸
バイアステープ(共布で作成可能)
ゴム
しろも・あかも(しつけ糸)

まとめ
以上ざくっと概略だけ記述しましたが、如何だったでしょうか。
洋裁とは何か?の理解の一助となりましたら幸いです。
詳細は具体的な事例から各ページに記述していきますので、そちらをご覧下さいね。